風俗営業の許可を受けられない場合
風俗営業の許可を受けられない場合
営業者が(法人の場合は全役員が対象)次のいずれかに該当する場合、許可が受けられません(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第4条第1項)
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
4.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
5.心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
6.風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
7.営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
8.法人の役員、法定代理人が上記1から6までのいずれかに該当する者があるとき
営業所が次のいずれかに該当する場合、許可が受けられません(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第4条第2項)
1.営業所の構造又は設備が風俗営業の種別に応じて、国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき
2.営業所が、東京都の条例で定める地域内にあるとき
3.営業所に管理者を選任すると認められないことについて相当な理由があるとき
風俗営業の許可を受けられない場合解説
営業者の欠格事由
2.1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
執行猶予中は許可が受けられません。
「一定の罪」とは、無許可営業や無承認構造変更、児童福祉法違反など風俗営業に関連が深い犯罪を言います。具体的には、法第4条第1項に列挙されています。
「又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過」について、執行猶予期間が満了したときは許可申請をすることができます。
6.風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
これには、許可の取り消しにかかる聴聞の通知がされた日以降に許可を返納した場合も含まれます。
また、法人の場合は聴聞通知の前60日以内に役員であった者も、許可取り消しから5年たたなければ許可申請ができません。
つまり、許可が取り消されそうになって慌てて対処しても何とかなるものではない、と言うことです。
7.営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
「営業に関して成年者と同一の能力を有する」場合とは、法定代理人(通常は両親)から営業を許可された場合を言います。
営業所の欠格事由 解説
1.営業所の構造又は設備が風俗営業の種別に応じて、国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき
キャバクラ、スナック、ホストクラブ等の1号営業の場合は次のような決まりがあります。
①客室の床面積は、和風の客室に係るものにあつては一室の床面積を九・五平方メートル以上とし、その他のものにあつては一室の床面積を十六・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
②客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
③客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
④善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
⑤客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
⑥第三十条に定めるところにより計つた営業所内の照度が五ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
⑦第三十二条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有す
2.営業所が、東京都の条例で定める地域内にあるとき
「営業禁止地域」と「保全対象施設」という2つのポイントがあります。
営業禁止地域
営業禁止地域とは、その地域では風俗営業の許可が受けられない地域のことです。
都道府県条例に定められているので、市区町村ごとに異なります。東京都の場合は、
住居集合地域では営業許可が受けられません。営業所の一部でもこれらの用途地域にかかっていれば、許可が受けられません。
[住居集合地域]
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域及び準住居地域、田園地域
保全対象施設
保全対象施設とは、その施設から一定距離内では営業許可が得られない施設のことです。
営業所が商業地域にある場合、近隣商業地域にある場合、その他の地域にある場合で規定距離が異なります。これも都道府県条例に規定があります。
[保全対象施設と規定距離]
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学校 (大学を除く) 児童福祉施設 図書館 |
病院 診療所① 大学 |
診療所② |
商業地域 |
50m |
20m |
10m |
近隣商業地域 |
100m |
50m |
20m |
その他の地域 |
100m |
100m |
診療所①は病床設備が8床以上、診療所②は病床設備が7床以下
児童福祉施設のうち保育所は認可保育所のみが対象